70代になって、
昔の友人と会う回数が減った。
仕事をしていたころの付き合いもなくなった。
話したいことはあるけれど、気軽に連絡できる人が少なくなった。
そんなとき、
「SNSを始めたら、新しい友達や仲間ができるのかな」
と思うことがあります。
でも同時に、
「SNSなんて若い人ばかりでは?」
「今さら始めても輪に入れないのでは?」
「知らない人に話しかけるのは怖い」
とも感じるでしょう。
結論からいうと、70代からSNSを始めても、新しいつながりを作ることはできます。
2026年1月の全国調査では、70代の78%がLINE・Instagram・Facebook・X・TikTokのいずれかを利用していました。前年から特に70代の利用が増えています。
ただし、
SNSを始める
→ 知らない人を探す
→ 友達になる
という進み方をしなくても構いません。
むしろ最初に目指したいのは、もっと手前です。
同じ趣味について何度か話す人を一人作る。
その人の名前を見かける。
投稿を読む。
一度コメントする。
また別の日にやり取りする。
そういう小さな関係が続いて、その先で「SNS仲間」「友達」と呼べる関係になる。
70代からSNSを始めるなら、このくらいの距離から始めた方が無理がありません。
70代でSNSを使うこと自体は、もう珍しくない
「70代でSNSなんて自分だけでは」
という心配は、かなり小さくなっています。
NTTドコモ モバイル社会研究所の2026年調査では、
60代 92%
70代 78%
80代前半 47%
が、LINE・Instagram・Facebook・X・TikTokのいずれかを利用していました。
70代男性では前年からSNS利用率が7ポイント上昇しています。
つまり、
70代だからSNSの外側にいる
という状況ではありません。
ただし、もう一つ数字を見る必要があります。
70代ではLINEの利用が中心で、Instagram・Facebook・X・TikTokは、それぞれ利用率が1割以下です。
だから、
「70代だけが集まるSNSを探せば、すぐ友達ができる」
とも限りません。
むしろ、
年齢より、趣味や興味で探す
方が人を見つけやすい場合があります。
「70代の友達募集」より「自分の好きなこと」で探す
たとえば、
70代 友達募集
だけで人を探す。
これでは共通点が年齢しかありません。
同じ70代でも、
旅行が好きな人。
家で過ごすのが好きな人。
野球が好きな人。
園芸が好きな人。
写真が好きな人。
考え方も生活も違います。
一方、
ガーデニング。
一人旅。
鉄道。
写真。
昭和歌謡。
家庭菜園。
ウォーキング。
地域の歴史。
など、自分が普段見ているものから探すと、最初から話題があります。
東京都の60~70代向けSNSガイドでも、SNSは「身近に共通の趣味を持つ人がいない」ときに、地域や年齢を越えて共通の関心からつながれる場として紹介されています。
年齢が同じ人を探すより、同じものを見ている人を探す。
こちらの方が会話を始めやすくなります。
SNSで最初から「友達」を作ろうとしなくていい
SNSで友達を作りたい。
そう思うと、
友達募集の投稿をする。
知らない人へDMを送る。
連絡先を交換する。
というところまで一気に進みたくなることがあります。
でも、人間関係はそこまで急がなくて構いません。
たとえば、
第1段階
いつも見る人。
第2段階
たまにコメントを交わす人。
第3段階
趣味について何度も話すSNS仲間。
第4段階
個人的な話もする友達。
くらいに分けてもいいでしょう。
最初から第4段階を探すのではなく、
「またこの人の投稿を見た」
くらいから始めます。
SNSは、この小さな接触を繰り返しやすい場所です。
最初は投稿しなくても、コメントするだけでいい
「友達を作るなら、自分も毎日投稿しないといけない?」
そんなことはありません。
東京都のガイドでも、
まず見る。
気になる投稿へ「いいね」。
慣れたらコメント。
という使い方が案内されています。
たとえばガーデニングの投稿を見て、
「きれいですね」
だけでも構いません。
次に同じ人が別の花を載せていたら、
「今年はこちらではまだ咲いていません」
と書く。
すると相手から、
「こちらは少し早いみたいです」
と返ってくるかもしれません。
これでも交流です。
友達を作るための自己紹介をする必要はありません。
共通の話題について少し会話するところから始めます。
「またこの人だ」と思える相手ができたら、それが最初の仲間
SNSで仲間ができたかどうかを、
連絡先を交換したか。
実際に会ったか。
で決めなくても構いません。
たとえば毎週、
同じ人の写真を見る。
自分がコメントする。
相手も自分の投稿へ反応してくれる。
「今年も桜が咲きましたね」
「また旅行へ行かれたんですね」
と話せる。
この状態なら、
すでに小さなSNS仲間
と考えてもよいでしょう。
オンラインだけの関係でも構いません。
SNSで知り合ったら、必ず現実の友人関係へ発展させなければならないわけではありません。
70代なら、まず使い慣れたLINEから広げる方法もある
70代では、ほかのSNSと比べてLINEの利用率が高くなっています。
ただ通常のLINEは、すでに知っている家族・知人との連絡に使っている人が多いでしょう。
そこで新しい人との交流には「オープンチャット」という機能もあります。
LINE公式によると、オープンチャットはLINEの友だちになっていない人同士でも、共通の興味についてトークや情報交換ができます。
料理。
スポーツ。
地域。
趣味。
などのキーワードやカテゴリーからトークルームを探せます。
しかも通常のLINEプロフィールとは別に、オープンチャットごとにニックネームとプロフィール画像を設定できます。
つまり、
「新しいSNSアプリを一から覚えるのは大変」
という人でも、普段使っているLINEの中で共通テーマの場所を探す選択肢があります。
FacebookやXにも「個人を探す」以外の入口がある
SNSでは、人を一人ずつ探す必要はありません。
Facebookにはグループ機能があり、キーワードからグループを検索して参加できます。公開・非公開など、グループごとに参加条件があります。
Xにも「コミュニティ」があり、特定テーマについて参加者同士で投稿や返信を行える仕組みがあります。X自身も、共通体験を共有し、新しいつながりを築くための場所として案内しています。
どれが一番よいかは、
自分がすでに使っているサービス。
興味のあるコミュニティがあるか。
文字・写真・動画のどれが好きか。
で変わります。
重要なのは、
SNS名より「同じ人と繰り返し会話できる場所」があるか
です。
友達が欲しいからといって、自分の個人情報をたくさん出さなくてもいい
友達を作るには、
本名。
住んでいる町。
家族構成。
自宅の写真。
電話番号。
まで公開しなければならないと思う必要はありません。
むしろ最初は、
好きな花。
旅行先。
趣味。
今日やったこと。
くらいからで十分です。
東京都もシニア向けSNS利用で、
自宅が分かる外観や表札。
写真の位置情報。
他人の名前・写真。
などの取り扱いに注意するよう案内しています。
相手を知ることと、
最初から自分の生活を全部知らせること
は違います。
「友達になりませんか」と急にDMしてくる人は、むしろ急がない
ここは70代からSNSを始めるなら特に大事です。
投稿へ何度もコメントしていた人と少しずつ仲良くなる。
これは自然です。
しかし、
まだほとんど話していない相手から、
「もっと話したい」
「LINE交換しませんか」
「あなたにだけ教えたい話があります」
と急に個人的なやり取りへ誘われた場合は、一度距離を取ります。
警察庁によると、2026年上半期のSNS型ロマンス詐欺は2,509件、被害額246.6億円で、70代の被害も増加傾向にあります。
SNS型ロマンス詐欺では、最初の接触手段の約9割がダイレクトメッセージでした。
もちろん、
DMを送る人=詐欺
ではありません。
ただ、
新しい友達を作りたい気持ちがあるときほど、急に距離を縮めてくる相手を「親切な人」と判断しない
ことは重要です。
お金・投資の話が出たら「友達づくり」と切り離す
SNSで知り合った相手が、
投資。
暗号資産。
副業。
お金を貸してほしい。
一緒に資産を増やそう。
という話を始めたら、
友人関係とは切り離して考えます。
警察庁が公開するSNS型ロマンス詐欺の事例でも、
「二人の将来のために投資しよう」
「もっと早く富と自由を実現できる」
など、人間関係を利用して投資・送金へ誘導する手口が確認されています。
本当に趣味について話したい人なら、
庭の花や旅行の話だけを何か月続けても困らないはずです。
お金の話をしない関係を長く続けられるか。
これも相手を見る材料になります。
SNSの友達は、実際に会わなくてもいい
仲良くなったら、
「いつか会いましょう」
という話になることがあります。
会いたいと思えば、それも一つです。
ただし、
SNS仲間はSNSだけの関係
でも構いません。
毎朝写真を見る。
週に一度コメントする。
同じ野球チームについて話す。
それだけでも生活の中の小さな交流になります。
「本当の友達なら会うべき」
と考える必要はありません。
むしろ、
SNSだけだから気楽に続く関係
もあります。
実際に会うなら、関係を一段ずつ進める
何か月も交流して、
実際に会ってみたい。
となった場合も、一気に私的な関係へ進めなくて構いません。
初めてなら、
昼間。
人の多い場所。
喫茶店やイベント。
趣味の集まり。
など、第三者がいる場所で会う。
最初から、
自宅へ呼ぶ。
相手の車だけで出かける。
まとまったお金を持っていく。
必要はありません。
オンラインで何度話していても、実際に会うのは初対面です。
ここは分けて考えます。
「友達を作る」より「話せる人を1人増やす」にする
70代からSNSを始めるとき、
友達を5人作ろう。
毎日誰かと話そう。
と目標を立てる必要はありません。
むしろ、
自分が好きなことについて月に何度か話せる人を一人増やす
くらいが始めやすいでしょう。
花を載せたらコメントをくれる人。
旅行先について教えてくれる人。
野球の試合後に一言やり取りする人。
そういう人が一人できれば、
SNSを始める前にはなかったつながりです。
そこから自然に増えることがあります。
70代だから、同年代だけとつながる必要もない
SNSのおもしろいところは、
年齢が違っても趣味が同じなら話せることです。
70代だから、
70代の人を探さなければ。
と思う必要はありません。
写真なら写真。
園芸なら園芸。
鉄道なら鉄道。
地域史なら地域史。
同じことが好きなら、
60代でも80代でも、もっと若い人でも話題はあります。
東京都のSNS活用ガイドも、SNSの特徴を「地域や年齢を越えたつながり」を作れる点に置いています。
年齢で探すより、話したいことで探す。
SNSだからできる友達の作り方でもあります。
まず一週間「友達を作らずに」見てみる
まだSNSを始めていないなら、最初から交流しなくても構いません。
一週間くらい、
自分の好きなテーマを検索する。
どんな人が投稿しているか見る。
どのコミュニティの雰囲気が穏やかか見る。
毎日のように投稿している人を覚える。
そのあと、
一つ「いいね」。
さらに次の日、短いコメント。
で十分です。
先に場所を知ってから、人と話す。
現実の趣味サークルへ初めて参加するときと、それほど違いません。
まとめ|70代からでも仲間はできる。ただし「友達を探す」より「同じ話を続けられる人」を探す
70代からSNSを始めても遅くありません。
2026年の調査では、70代の78%が何らかの主要SNSを利用しており、SNSそのものはすでに一部の若者だけのものではありません。
ただし、
SNSへ登録した。
友達募集をした。
知らない人からDMが来た。
だから友達になった。
ではありません。
最初は、
自分の好きなことを見る。
同じものが好きな人を見つける。
何度かその人の投稿を見る。
一度コメントする。
また話す。
「またこの人だ」と思える相手を一人作る。
そこまでで十分です。
友達は探して登録するものではなく、
小さなやり取りが続いたあとで、
「あの人とはよく話すな」
と気づくものかもしれません。
70代からSNSを始めるなら、
友達を作ることを目標にせず、話せる人を一人増やす。
まず、そこから始めてみればよいでしょう。
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この記事は、2026年9月時点の東京都、NTTドコモ モバイル社会研究所、LINE・Meta・X公式情報、警察庁の公表情報をもとに作成しています。SNSの機能や利用状況は変更される場合があります。