スマホはもう持っている。
電話はできる。
LINEも何とか使える。
写真も撮れる。
でも最近は、
QRコード。
地図。
ネット予約。
音声入力。
キャッシュレス。
ChatGPT。
新しい機能やサービスが次々に出てくる。
それを見ると、
「今さら覚えても無理では?」
「覚えても、次の日には忘れてしまう」
「若い人みたいには使いこなせない」
と思ってしまうことがあります。
結論からいうと、70代からでも、新しいスマホ機能を使えるようにはなります。
ただし、
スマホの機能をたくさん覚える。
説明された操作を全部暗記する。
新機能が出るたびについていく。
必要はありません。
むしろ70代からなら、
「使いこなす」の意味を小さくした方がいい。
自分が必要なことを一つ選ぶ。
一度やる。
次の日にもう一度やる。
分からなくなったときに戻れる方法を残す。
これで十分です。
スマホを使いこなすとは、
何でもできることではなく、自分がやりたいことを自分で繰り返せること。
この記事では、そこから考えます。
70代でスマホを使うこと自体は、もう特別ではない
2026年のNTTドコモ モバイル社会研究所の調査では、70代のスマートフォン所有率は86%まで上がっています。
さらに2026年の60・70代を含むシニア調査では、70代のスマートフォン利用時間は1日平均58分でした。3年前と比較すると、シニア全体の利用時間は約1.6倍になっています。
つまり、
70代がスマホを持つ。
毎日触る。
というところまでは、すでに珍しくありません。
それでも、
「私は全然使いこなせていない」
と感じる人は多くいます。
2024年調査では、70代の約6割が「スマホを使いこなせていない」と回答しました。
ここに、今回の記事の大事なところがあります。
「使えている」のに「使いこなせていない」と感じる人がいる
同じ調査を見ると、
「使いこなせていない」
と感じているシニアの中にも、
動画・音楽。
健康・医療サービス。
などまで利用している人が34%いました。
さらに「使いこなせていない」と回答した人の約4割は、毎日30分以上スマホを使っています。
つまり、
毎日使っている。
LINEも使う。
検索もする。
動画も見る。
それでも、
「全部できないから、自分は使いこなせていない」
と思っている人がいるということです。
でも、若い人でもスマホの全機能を使っているわけではありません。
カメラしかほとんど使わない人。
LINEとYouTubeばかり使う人。
地図と決済をよく使う人。
人それぞれです。
だから70代だけ、
「スマホにある機能を全部覚えないと使いこなしたことにならない」
と考える必要はありません。
「使いこなす」を、まず3つに分ける
スマホで新しいことを覚えるときは、
「これを理解したか」
より、
次の3つで考えます。
1.自分に必要か
2.もう一度使いそうか
3.次回もそこへたどり着けるか
たとえばQRコード。
一度しか使う予定がない。
なら、覚えなくても構いません。
必要なときに誰かに聞いてもいい。
一方、
病院の予約で毎月使う。
スーパーで毎週使う。
なら覚える価値があります。
新しい機能が出たから覚えるのではありません。
自分の生活で繰り返すものだけ覚える。
この順番にします。
最初に機能名を覚えなくてもいい
たとえば、
「Googleマップの経路検索機能を覚えよう」
と言われると難しく感じます。
それより、
「明日行く病院までの行き方をスマホで見る」
と考えます。
目的地を入れる。
経路を見る。
当日もう一度見る。
これだけです。
Googleマップの他の機能は覚えません。
保存。
口コミ。
航空写真。
タイムライン。
必要になったらそのときです。
スマホを機能単位で学ぶより、
用事単位で覚える
方が生活へ残ります。
「覚える」より「もう一度できる」が大事
一度教えてもらった。
その場ではできた。
でも翌日には忘れた。
これで、
「やっぱり年だから覚えられない」
と思ってしまう人がいます。
ただ、新しい操作は年齢に関係なく、一度では定着しないことがあります。
2026年2月公表のシニア調査では、70代前半以下では6割以上がアプリのダウンロード・削除をできると回答しています。スマホの操作能力自体も70代前半を中心に上昇しています。
だから、
一度で暗記できたか
を基準にしなくても構いません。
その日のうちにもう一度。
次の日にもう一度。
一週間後にもう一度。
使います。
3回目でもメモを見た。
それでもいい。
メモを見ながら自分でできれば「使える」です。
手順を覚えるより「入口」を覚える
スマホでは、
その機能までたどり着けない
ことがよくあります。
「前にやったんだけど、どこからだったかな?」
となる。
このとき、操作手順を10個覚えるより、
最初の入口
だけ残す方が楽です。
たとえば、
写真を家族へ送る
→ まず「写真」を開く。
地図を見る
→ まず「マップ」を開く。
音声で文字を入れる
→ キーボードのマイク。
ChatGPTで聞く
→ ChatGPTを開いて音声。
ここさえ分かれば、その先は少し思い出せます。
だから自分用メモも、
操作を20行書くより、
「最初にどこを押す?」
を大きく残します。
さらに大事なのは「戻り方」を覚えること
スマホ初心者が怖いのは、
間違った場所へ行ったときです。
知らない画面が出る。
広告が出る。
急に設定画面へ移る。
すると、
「壊してしまったのでは」
と不安になります。
そこで新しい機能を覚えるときは、
操作だけではなく、
困ったらどこへ戻るか
も一緒に覚えます。
ホーム画面へ戻る。
一つ前へ戻る。
アプリを閉じて開き直す。
これだけでも安心感が違います。
新機能を5個覚えるより、
迷子になったときの戻り方を1個知っている方が、自分で触れる範囲は広がります。
「文字が小さい」「押しにくい」は、能力の問題ではなく設定の問題かもしれない
操作を覚えられない原因が、
記憶力
ではない場合もあります。
文字が小さい。
ボタンが見えにくい。
指でうまく押せない。
聞き取りにくい。
こうした状態では、当然スマホ操作は難しくなります。
iPhoneでは、文字を大きくする、太字にする、画面表示を拡大するなどの設定があります。Appleは2026年現在、シニア向けサポートでも、文字サイズ・音声入力・音声操作・アシスティブアクセスなどを案内しています。
Androidにも、フォントサイズや表示サイズの変更、画面読み上げ、音声入力、Voice Accessによる音声操作などのユーザー補助機能があります。
つまり、
自分がスマホに合わせるだけでなく、スマホを自分に合わせる。
これも使いこなす方法です。
ホーム画面を整理すると「覚える機能」そのものを減らせる
スマホを見ると、
大量のアプリ。
通知。
数字。
アイコン。
があります。
これだけで迷います。
なら、頻繁に使うものをホーム画面へまとめます。
電話。
LINE。
カメラ。
写真。
地図。
ChatGPT。
など、自分が使うものだけ。
「どこにあるか分からない」
が減ります。
iPhoneには、画面上の項目や使用できる機能を絞って表示を分かりやすくする「アシスティブアクセス」もあります。
すべての70代に必要な設定ではありませんが、
機能が多すぎて混乱する人なら、
覚える努力より、選択肢を減らす設定
を考える方が効果的な場合があります。
文字入力が苦手なら、入力そのものを覚えなくてもいい
新しいスマホ機能を使おうとして、
文字入力
で止まる人もいます。
でも現在は、
音声入力。
音声検索。
音声操作。
があります。
iPhoneでは文字入力欄へ音声で入力でき、音声コントロールではアプリ操作なども声で行えます。
AndroidにもVoice Accessがあり、アプリの起動、画面移動、テキスト入力などを音声で行えます。日本語にも対応していますが、対応コマンドには制限があります。
だから、
フリック入力が苦手
↓
スマホが使えない
ではありません。
苦手な操作を別の方法へ置き換える。
これもスマホを使う力です。
「便利そう」だけでは、新機能を覚えなくていい
スマホ記事を見ると、
便利機能30選。
知らないと損する設定。
絶対使うべき機能。
などが出てきます。
でも、それを全部覚えようとすると終わりません。
70代からなら、
今、自分が困っているか
で判断します。
毎回病院へ行く道を調べている
→ 地図を覚える価値がある。
長い文章を打つのが面倒
→ 音声入力。
孫へ写真をよく送る
→ 写真共有。
毎回スーパーのカードを探す
→ スマホ決済を検討。
特に困っていない
→ 覚えない。
これで構いません。
「新しい機能を知らない=遅れている」
ではありません。
「使いこなしている人」は、全部暗記している人でもない
分からない機能が出た。
そのとき、
検索する。
ChatGPTへ聞く。
家族に聞く。
店で聞く。
スマホ教室へ行く。
このどれかで解決できればいい。
実際、シニアがスマホを使いこなすための相談先として、購入店を利用している人も多いことが調査されています。70代女性では購入店へ相談する割合が特に高い結果もあります。
つまり、
使いこなす=誰にも聞かない
でもありません。
困ったときに解決できる場所を知っていることも含まれます。
70代からなら「検索できる」だけでもかなり広がる
2026年のシニア調査では、
インターネットで情報検索ができる人
と、
できない人
では、スマホ利用時間に倍以上の差がありました。
これはかなり重要です。
なぜなら、検索ができれば、
電車。
病院。
営業時間。
料理。
スマホの操作。
分からない言葉。
などを、自分で調べられるようになるからです。
だから、
「新しい機能を10個覚える」
より、
分からないことを検索できるようになる
方が先でもいいでしょう。
その先で必要な機能を一つずつ増やせます。
いきなりキャッシュレスやネット銀行まで進まなくてもいい
新しい機能には、
失敗しても困らないもの
と、
慎重に覚えた方がいいもの
があります。
写真。
地図。
動画。
音声入力。
なら、比較的試しやすいでしょう。
一方、
ネット銀行。
QRコード決済。
クレジットカード登録。
投資。
本人確認。
など、お金や重要情報が動く機能は、少し別です。
操作できることより、
怪しい連絡を見分けられるか
も必要になります。
2025年のシニア調査では、セキュリティ対策が十分でない理由として「何をどこまですれば十分か分からない」が最も多く、年代が上がるほど「方法が分からない」という回答も増えていました。
さらに警察庁の2026年7月末時点の暫定値では、特殊詐欺の被害額は2,108.1億円に達しており、SNS型投資詐欺なども増えています。
だから、
便利だから覚える
だけでなく、
お金が動くものは、家族・店舗・公式窓口などと確認しながら覚える。
と分けます。
スマホ教室を使ってもいい。ただし国の事業は終了している
「一人では分からない」という場合、スマホ教室も選択肢です。
総務省の「デジタル活用支援推進事業」では、高齢者などを対象に全国でスマホ講習会が行われていました。
ただし、この国の事業自体は2026年3月末で終了しています。
一方、2026年度も自治体が独自にスマホ教室を開催している例があります。
たとえば伊勢崎市では、60歳以上のスマホ所有者を対象に、インターネット・アプリのインストールなどを学ぶ無料教室を開催しています。
そのため、
「国のスマホ講習会へ行けばいい」
と一律には言えません。
住んでいる自治体。
携帯ショップ。
地域のパソコン・スマホ教室。
などを確認します。
家族に教えてもらうなら「全部やってもらう」から一歩変える
家族に聞くと、
「貸して」
と言われて、全部操作してもらう。
そして、
できた。
でも次回はまた分からない。
となりがちです。
新しい機能を覚えたいなら、
家族には、
操作してもらうのではなく、横から言ってもらう
方が残りやすいでしょう。
自分で押す。
自分で戻る。
自分で失敗する。
最後にもう一度やる。
時間はかかります。
でも、
次の日に自分で使える可能性は高くなります。
「同じことを何回聞いてもいい場所」を一つ持つ
70代になると、
「前にも聞いたから、また聞くのは悪い」
と思うことがあります。
その結果、
分からない
↓
使わない
になってしまう。
でも新しい操作なら、何度確認しても構いません。
家族。
携帯ショップ。
教室。
ChatGPT。
紙のメモ。
自分が気兼ねなく確認できるものを一つ持ちます。
一人で全部暗記することより、
分からなくなったときに自分で復帰できる仕組み
を作る方が長く使えます。
最初の新機能なら「検索」か「音声入力」くらいでいい
では、
今まで電話とLINEくらいしか使っていない。
何か一つ新しいことを覚えたい。
という場合。
一つ目なら、
情報検索
は候補になります。
「近所の○○病院 営業時間」
「○○駅から△△」
などを検索する。
あるいは文字入力が面倒なら、
音声入力
を一つ覚える。
このどちらかでもスマホの利用範囲は大きく広がります。
検索ができれば、次に必要なものを自分で探せるからです。
3回できたら「覚えた」にする
一つ新しい機能を選びます。
たとえば、
写真をLINEで送る。
今日、一度やります。
続けてもう一度。
明日またやります。
3回できた。
途中でメモを見ても構いません。
ここで、
「これは使えるようになった」
としていい。
その次に一つ増やします。
スマホの機能を勉強するのではなく、
生活の中で使うものを1個ずつ定着させる。
これなら終わりがあります。
まとめ|70代からの「使いこなす」は、全部覚えることではない
70代から新しいスマホ機能を覚えても遅くありません。
実際、2026年には70代の86%がスマホを所有し、日常的な利用も広がっています。
一方で、
「使いこなせていない」
と感じる70代も多くいます。
これは、
能力がない
というより、
スマホにできることが多すぎて、「全部できないと使いこなせていない」と感じやすい
ことも一因です。
だから、目標を変えます。
知らない機能を全部覚える。
ではなく、
自分がやりたいことを一つ選ぶ。
入口を覚える。
自分で一度やる。
次の日にもう一度やる。
分からなくなったら戻れる方法を持つ。
ここまでできれば十分です。
70代からスマホを使いこなすとは、
スマホにある機能を全部知ることではありません。
「私はこれをしたい」と思ったときに、自分でそこへたどり着けること。
まず一つ、それが増えればいい。
新機能についていくのではなく、
自分の生活に必要になった機能だけ、あとから一つずつ取り込んでいく。
そのくらいで、スマホは十分使いこなせます。
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この記事は、2026年9月時点の公表情報をもとに作成しています。スマートフォンの機能名・設定画面・対応する音声操作などは機種やOSのバージョンによって異なる場合があります。